Orthomolecular

【実験】食後の眠気は糖質が原因?糖質制限してみた結果…

食後の眠気がとにかくツラい。

眠くて眠くて、午後の授業や仕事がはかどらない。

こんな経験がある方は少なくないのではないでしょうか。

実は食後の眠気は血糖値の乱高下(血糖値スパイク)に大きな原因があると言われているのはご存知ですか?

食事から吸収された糖質が、さまざまな条件で多く吸収されて一気に血糖値が上がってしまうと

過剰に反応したインスリンというホルモンが慌てて血糖値を下げようと働きます。

この血糖値の急上昇後の急下降が起こるまさにその時に、眠気はやってきます。

今回はこの食後の眠気が本当に糖質の影響なのかを調べるために実験してみました。

Page Contents

実験:食事の際の炭水化物、間食時のおやつを抜く

まずは朝・昼・晩の食事に出てくる炭水化物を抜きます。

パンや麺類は避けて米を抜き、肉魚野菜を中心に生活してみました。

間食の甘いものもガマンガマン。

糖質を制限する代わりに食後のプロテインを追加しました。

経過:1〜3日

炭水化物と砂糖を抜いて2、3日は、食事に物足りなさは感じるものの

食後にプロテインを追加していたのでお腹が膨れ、どうにかやり過ごすことができました。

それまで食後のおやつや間食の習慣があったため、口寂しく感じることも多々ありました。

口寂しくなったら、ナッツやプロテインバーなど糖質の少ないものを意識して摂りました。

できる限りの糖質を避けると食後の眠気はほぼなくなり、

午後の仕事への影響が減ったことはすぐに体感しました。

経過:4日〜1週間

プロテイン追加の生活にも慣れ、食事に感じていた物足りなさも薄れてくる頃。

間食時にもちょこちょこプロテインを摂取することで、満腹感が出ておやつへの欲求もあまり感じなくなりました。

また、毎日飲んでいたコーヒーもいつの間にか欲することがなくなりました。

経過:1週間〜

糖質オフな食生活も意外と大丈夫!

そう思ったのも束の間。

糖質への欲求リバウンドがきました!

パンが食べたい!!おやつ食べたい!!!!

考え出したらもーーーーーう止まらない。

危険すぎるので、食事のお米をお茶碗半分の量摂取することにしました。

やっぱりお米、大事ですよね…

実験結果:

・食後の眠気や怠さがとても改善された

・コーヒーを必要としなくなった

・リバウンドする可能性がある

糖質制限から分かったこと

食後の眠気はやはり血糖値が関係していることが実験でもよく分かりました。

糖質を抜くと、確かに食後の眠気は来ないです。

眠気が来ないのでコーヒーも必要としなくなりました。

糖質制限をして調子が良くなる人は、血糖値が上昇しやすい人、

つまり糖質が身体の必要摂取量をオーバーしていて過剰摂取傾向の人

もしくは糖尿病の家系(糖質に反応しやすい体質)の可能性が考えられます。

しかし、厳格な糖質制限は安易に始めてはいけません。

なぜなら、人の体にとって糖質も必要な栄養だからです。

糖質が悪であるわけではなく、糖質過剰であることが悪なのです。

食事の内容が糖質過剰にならないように、たんぱく質や脂質とのバランスを考えなければなりません。

なぜ厳格な糖質制限はやっていけないのか

人の体の主なエネルギー源は糖質と脂質ですが

日本人の食事から得られるエネルギーの約60%は糖質から得られていると言われています。

そのため糖質を過剰に制限してしまうと、エネルギーの生産バランスが悪くなってしまい

その穴埋めをするために脂質や、普段エネルギーに使われにくいタンパク質から取り出そうとします。

しかし、その場合のエネルギー生産には鉄やビタミンなどのミネラルなどが必須で

条件が揃わずエネルギーをうまく取り出せなかった場合、疲労感などの弊害が起きてしまいます。

また身体の司令塔である脳は、唯一糖質のみをエネルギーとしていて

糖質を完全にカットしてしまうと、思考力や生命力さえも衰えてしまう可能性があります。

生命の危機を察知すると、脳は糖質摂取の指示を出します。

これが私の経験した糖質リバウンドにつながります。

脳からの指示なので、身体は無視することが到底できません。

糖質は身体にとって全く不要なものではないのです。

糖質制限で気をつけること

よし!今日から糖質制限をしよう!!

と決心しても、いきなり急激な糖質制限を開始してはいけません。

糖質を制限するということは、食事内容が必然的にタンパク質と脂質の割合が高くなるということ。

特にタンパク質は摂取した高分子の状態から、身体に吸収されることのできる低分子の状態になるまで

何度も消化分解作業をする必要があるため、胃腸の負担が増加してしまいます。

糖質制限で弊害を伴わずに成功するためには消化力が問われるのですが、

消化力が衰えている中で始めてしまうと、身体が対応できずに便秘や下痢、腹痛などの症状が出る可能性があります。

また、完全に消化できていないタンパク質が腸まで運ばれてしまうと腸粘膜を荒らし、

その荒れた部分から招かれざる客の体内侵入を許してしまいます。

それがそのまま全身に流れ込み身体の各所でアレルギーや皮膚疾患などの炎症を起こしたり

その炎症を抑えるためのホルモンの過剰な排出により副腎疲労を招く可能性もあります。

これらを回避するためには、消化力が重要です。

糖質制限には糖質をコントロールするというメリットもありますが

デメリットをカバーする消化力あってこそ成果を伴うことを見落としてはいけません。

消化を必ずサポートしましょう。

こんな症状が出たら要注意

・めまいや立ちくらみ、頭痛や眠気など

・甘いものが欲しくなる

・イライラしやすくなる

・低血圧

・疲労感

・筋肉量が減って基礎代謝が落ちる(タンパク質が分解される)

・消化不良(下痢や便秘、胃痛などの腹痛等)

・リーキーガット症候群(アレルギーや皮膚疾患、関節炎、精神的な症状など)

まとめ

糖質をなるべく摂らないようにすると、食後の眠気はびっくりするほど感じなくなります。

しかし糖質は身体のエネルギー源なので、糖質の完全オフを軽く考えてはいけません。

唯一糖をエネルギー源としている脳から糖質摂取の指示が出てしまうと、逆らうことは到底難しいです。

必ずリバウンドしてしまいます。

また、糖質を制限するとタンパク質や脂質が食事のメインとなり、消化力も問われます。

消化力が伴わない場合、血糖値はコントロールできてもその他の体調不良を招く恐れもあります。

糖質制限と消化のサポートはセットで管理しましょう。